この記事にまとめた情報は、私なりに調べた結果を噛み砕いたものなので、情報源や正確さの保証はできません。ご了承のうえでご覧ください。
ちなみに、このルールで推敲中の小説を添削したところ、修正時に違和感はありませんでした。本当に合っているかの判断は、日本語のプロに任せます。本文へどうぞ。
たち・達
名詞として使う場合は漢字です。
漢字:上達。達者。友達。
ここで注意点です。友達は名詞ですが、私達は名詞ではありません。
このような組み合わせは、友達以外はすべて平仮名が正解です。
平仮名:私たち。人たち。犬たち。警官たち。
ころ・頃
名詞として使う場合は漢字です。
漢字:日頃から。 頃合い。
ある時間や時期を指す場合は平仮名です。
平仮名:十時ごろ。夜明けごろ。寝静まったころ。そのころ。
わけ・訳
理由に対して使う場合は漢字です。
漢字:言い訳。申し訳ない。訳を話そう。
上記から外れる場合は平仮名です。
平仮名:そんなわけがない。わけがわからない。
こと・事
具体的な事象を表現するときは漢字です。
漢字:事を公にはできない。あの日の事は忘れられない。
上記から外れる場合(抽象的な表現)は平仮名です。
平仮名:気になったことがある。馬鹿みたいなことで怒った。どういうことだろう。
とき・時
時間そのものを指す場合は漢字です。
漢字:時として恐れられた。振り返った時には。時に笑い、時に泣いた。
「時」を「場合」に置き換えても通用する場合には平仮名です。
平仮名:用事があるときには。こんなときばかり。
補足――先述のとおりに考えた場合、「何時」は漢字表記でよいはずですが、漢字の場合は「いつ」と「なんじ」で二通りの読み方ができてしまうため、平仮名で表記されていることが多いように感じます。結局どちらにしたらいいのと悩んだ場合は、もう平仮名にしておきましょう。日本語警察以外からは突っ込まれないはずです。
ため・為
「為」自体に意味がある場合は漢字です。あと名詞も。
漢字:君の為になるはずだ。為にならない。行為。
「為」単独だと意味が無い場合は平仮名です。
平仮名:電車が遅れたために遅刻した。そのためにはもうひと踏ん張り。
うえ・上
位置関係(非物理も対象)を指す場合は漢字です。
漢字:机の上。持ち上げた。申し上げます。
上記以外の場合は平仮名です。
平仮名:そのうえで話がある。出来が良いうえに安い製品。
補足――「このうえない屈辱」には上下の概念が存在するので、「この上ない屈辱」が正解な気がしますが、自信が持てないので私は平仮名で書くかも……。
とおり・通り
通過する場合、路を指す場合、いくつかの候補がある場合、これらは漢字です。
漢字:村で一番大きな通り。建物の間を通り抜ける。三通りの解法。一通り。
上記以外は平仮名です。
平仮名:そのとおり。計画どおり。
できる・出来る
品質を言い表す場合や、名詞は漢字です。
漢字:上出来だ。出来が悪い。今日の出来事。出来上がり。
上記以外は平仮名です。英語でいうcanにあたるもの。
平仮名:満点を取ることができた。できなくてもいい。できちゃった婚。できました。
わかる・分かる
結論:使い分ける理由がよくわかりませんでした。
……語源がどうたらこうたらでうんたらかんたららしいです。えぇ……。
ただ、あえてルールを決めるなら、「分かつ」「分ける」のような意味で「分かる」を使いたい場合は漢字。(具体的なシチュエーションはまるで想像できませんが……)
ごく一般的な、理解するという意味合いの場合は平仮名の「わかる」。
これが無難そうではあります。
また、グラブル……ゲーム内で使い分けているケースをちょうど発見しました。
通常は平仮名の「わかる」を使用しているようなのですが、神様みたいなキャラ(シヴァ)は難しい言葉遣いをする設定だったので、漢字の「分かる」を使っていました。
本文は以上です。
この先は「最後に」とか「あとがき」とか、そういうのです。
この記事や小説を書いていて思ったのですが、極論、どちらでもよい気がしました。
例えば、人物設定に合わせて使い分けている例を挙げましたが、 書き手が意図的に漢字、あるいは平仮名で 表記するのは良いことだと思いましたので。
読み手を気にすることもあると思います。
「この一文は全部ひらがなだから、少し読みにくいな」
「この一文は漢字が多いせいで、すらすらと読めないな」
なので、基本ルールだけ自分の中で決めておいて、あとは臨機応変に対応する。
これでよいでしょう。
実際、これらのことを意識していろいろな映像や作品に触れてみると、使い方はそれぞれで異なっており、統一規格にはなっていないことがわかりました。結局のところは書き手それぞれにゆだねられているのかと。ルール、要らないのでは……?
以上、『よく使う言葉のひらがなと漢字の使い分け方』でした。